あー、ページが重くなってきた(笑)
そろそろ分割しないとダメですねー。


MRE (Meal Ready to Eat, Individual)

米軍戦闘糧食
Meal Ready to Eat, Individual(MRE)

MREには製造メーカーが3つあり、写真の左側から
SOPAKCO社製、Ameriqual社製、Wornick社製。
基本的に国内で出回っているのは写真うち右側の2社だけです。
製造メーカーによる違いはパッケージだけではなく、中身・味付けと
かなりの差が見られ、一番美味しいと評判なのはAmeriqual社。
それに対して一番マズイと言われているのがWornick社。
SOPAKCO社のはその中間位かな?でも、僕からすると
あんまりどれも変わんないように思います(苦笑)

ちなみに、僕が最初に出会った糧食がコレ。
初めて見た時はメチャクチャ感動しました。ニューフロンティア(笑)
これがきっかけでこのディープな世界にのめり込む事に・・・

米軍のMREは2〜3個で一日分、即ち1パック一食分。
この分厚いビニール製パッケージの中に、メイン、デザート、クラッカー、お菓子等
色々と入っていますが、内容物の割には1パックの大きさは小さめに思えます。重さは800g前後。
メインはレトルトでFRH(Freamless Ration Heater)で温めて食べるのですが、
このFRHというヒーターはスグレモノ。名前の通り火を使わずに温められます。
FRHに規定量の水を注ぐと発熱し、その熱を利用して温めるというシステムなんですが、
このFRH、熱を発している間はガスが出るので、室内で使うのには適していません。

最近では、ココア等の飲みものをこのFRHで温めるためのパックが用意されていたりします。
それがコレ↓

「Hot Beverage Bag」
コレを使えばFRHで水も温められます。
ちなみに、コレは05年製MREから同封されていました。


最近では、アメリカのハリケーン・カトリーナの被災地に供給されている様子が
各メディアで映し出されていました・・・
ちなみに、各国も救援のためにレーションを送ったらしいですが、
アメリカが狂牛病問題が云々とか言って、倉庫の肥しになっているそうな・・・
日本には本当に安全かどうかワカランような牛肉を意固地に売りつけるクセにねぇ・・・
嗚呼、もったいないなぁ・・・(苦笑)



パックには大きく「Meal Ready to Eat」と書かれ、他にはメニューナンバーとメニュー名、
製造メーカー名とメーカー住所が書かれています。

あと、書かれているのは


U.S. GOVERNMENT PROPERTY COMMERCIAL RESALE IS UNLAWFUL
(アメリカ政府所有物であって、商業的販売は違法)

FLAMELESS RATION HEATERS ARE PROHIBITED ON COMMERCIAL AIRLINES
UNLESS SEALED IN ORIGINAL MRE MENU BAG
(FRヒーターがMREオリジナルメニューバック内にて密封されてなければ
商用航空会社では禁止されてる)



中身の一例。(参照は04年製Menu.12 ベジーバーガー)
基本的にはタンカラーのパッケージにて構成されていて、内容物はメニューによって
それぞれ違っています。共通はスプーンとFRH。
作法としては皿にはあけずにそのままスプーンを突っ込んで食べること(笑)
アクセサリーパケットはメニューによって内容物が大分違っています。
※05年製からはアクセサリーパックは3種類になり、紅茶のティーバックは
消えてしまいました。うーん、残念無念。



日本では幻と評判のSOPAKCO社製MRE。04年製。


特徴としては側面にメニューナンバーが印刷されています。
これだと一目でメニューが分かりますねー。


更に、裏には例の製造年を表す数字が刻印されていました。
(一部手書きのものが存在・・・)



更に、05年製MRE。超高年式。日本では殆ど出回っていないデス。
(ただし米国では恐ろしいほど出回っているというのはナイショ)
ちなみに下に敷いてあるのはレーションTシャツ。
東京キャロルさんで購入可能ですよ〜。(Wornick社ver.、Ameriqual社ver.アリマス)



これは、湾岸戦争時代の物と思われるMRE。
今より2世代以上前の物。
パッケージの色は焦げ茶色で、この頃に初めてFRヒーターが入るようになりました。
当時は今のMREよりも味がひどかったために
MRE(Meal Rejected by Ethiopian)とまで罵られた程。
今では改良が重ねられ味は格段によくなったんですが・・・
当時は酷い言われ様だったんですね・・・
けど、今でも酷い言われようは変わんないんですけどね・・・(苦笑)

※オークション等でたまに見かけますが、手に入れても決して食べないで下さい。
確実に消費期限切れてますので。



実は、93年ごろ日本の三井物産より「サバイバルキット」と銘打った
MREが民間用に販売されていました。そのブツがコレ。
しかも面白いのがメニューはNo.7 Beef Stew一種類のみ。
これが12個箱に詰められて販売されていたそうです。
パッケージに貼り付けてあるデカいシールには、内容物についての
詳細(品名・内容量・原材料)がしっかりと記載されていて、
更には三井物産の連絡先も。
あと、内容物にはFRヒーターが入っているようで、パッケージ裏側には
その使用方法が記載されたシールがこれまた貼ってあります。

中身については、いずれ追って記載します。
ちなみに、コレは以前野外炊具零号様より譲って頂いたものです。
珍しいものをありがとうございました。


RCW (Ration Cold Weather)
RCW特設ページを用意しました。
以下の画像をクリックすると飛びます。


米軍寒冷地用戦闘糧食ことRCW(Ration Cold Weather)
寒冷地での作戦時に支給され、寒冷地で十分な熱量を供給するようにできています。
A、Bの2パックで一日分。これで4500kcalを摂取可能。
(栄養の割合的にはタンパク質8%、脂肪32%、炭水化物60%)
あと、低ナトリウム・低タンパクとすることによって水分欲求量を下げ、
脱水症状を起こしにくいようになっています(1パックあたり塩分は5g)
ちなみに、このRCWは今は製造が停止されており、現在のストックが消費され次第
新型の寒冷地用糧食(MCW及びFPCW)へと移行される予定です。
※最近ではほぼMCWへの移行が進んだようですね。
保存期間は保存状態にもよりますが3年程度。
(ただし、フリーズドライのメインは10年はいけるとか・・・)

上の画像は98年Wornick社製のもの。A・Bパックがビニールテープで結ばれた
状態でメニュー6まで、計12パックが大箱に入っています。
このRCWを生産していたメーカーはRafco Freeze Dry社、SOPAKCO社、
Wornick社(Right Away Foods社)。そんでもってSOPAKCO社以外の会社の
住所を見ると、全てMcALLEN, TX 78505。同一会社みたいデス。


6組計12個が一つの箱に入っていて
各組粘着テープで縛られています。


粘着テープを解くとこんなカンジ。
これらもWornick社98年製
大箱の裏側に製造年を表す表記が存在。


Rafco Freeze Dry社89年製
※これは野外炊具零号様に譲って頂きました。本当にありがとうございます。


Right Away Foods社96年製

Ration Cold Weather特設ページはこちらから


Bread Shelf Stable

加給食として別支給される長期保存用のパン。通称"ブレッドパック"
紙製の袋に、MREのパウンドケーキのように包装させた長期保存用のパンが、12個入っています。
ちなみに、Wheat(黒文字)とWhite(赤文字)の2種類があるようです。


NEW!!
HONEW BBQ CHICKEN Pocket Sandwich


米軍の新型ブレッドパック。加給食・携帯食として使用されています。
サンドウィッチの他に、ベーグルやら色々と種類があるみたいです。
コレはBBQチキン味。他にも各種風味がある模様。


拡大図
カロリーや原材料名が事細かに表記されています。
1個100gと軽量ながらも、何とコレ一つで300kcal!
MREのメインと大して変わらないカロリーが摂取可能。
ちなみにコレは01953と表示されているので00年製の模様。

SpecialThanks:三日月猫様

試食レポートはこちらから


HDR (Humanitarian Daily Ration)

米軍の人道支援用レーション。
アフガニスタン戦争時や、イラク戦争時に空から撒かれたりしました。
このパック一つで、成人一人の一日分の栄養を摂ることが可能。
ところが、実際コレを食べる方々のウケはすこぶる悪いそうデス・・・
僕も実際に食べてみましたが、かなりヘコみました(汗)
使用されている食材は、宗教的禁忌に触れないように肉類・アルコール類は
一切使用されてません。なので、どんな人でも一応は食べられるようになっています。
あと、クラスター爆弾の収束弾と間違える事態が相次いだので、
今ではパッケージの色ははオレンジ色に変更されています。



HDRの中身の一例。
レトルト2パック、クッキーなどの甘味類、スプレッド類、アクセサリーパケットなど。
MREの甘味類を多くしたようなカンジです。


MCI (Meal Combat Individual)

ベトナム戦争時代の米軍レーションMCI(Meal Combat Individual)。
当時はレトルトではなく、缶詰が中心となっていました。
1箱で一食分。大箱にはこの箱が12箱とp-38缶切が4つ入っていて、
作戦時には兵士はこれを3つ携帯したそうです。
最近ではキレイな状態で残っているものが少なく、缶が膨れていたり
破裂して漏れているモノが少なくないです。

※30年以上も前の物ですから、入手されても決して食さないで下さい。


中身の一例。
1971年製頃までタバコが入っていましたが、これ以降MCIからはタバコが消えていくことに。
60年代後半から70年代前半にかけて禁煙運動が高まったためと言われています。



ちなみにタバコが入っている年代のアクセサリーパケット。
これにはマルボロが入っていました。タバコは他にも何種類かあるようです。
特に「ラッキーストライク」という銘柄のタバコは、「弾が当たる」ということで
当時の兵士達は出るのを嫌っていたとか。
あえて「ラッキーストライク」をヘルメットのバンドに挟んで突撃する豪傑もいたそうです(笑)


MCW (Meal Cold Weather)及びFPCW (Food Packet Cold Weather)

上で紹介したRCWの新型。MCW(Meal Cold Weather)ってことになってるんですが、
このAmeriqual社製のモノには、FPCW(Food Packet Cold Weather)の表記が・・・
Wornick社製のモノはちゃんと、"Meal Cold Weather"と書かれているのに
どういうことなんでしょう・・・まぁ、いいか。
※最近ではAmeriqual社のモノも"Meal Cold Weather"表記になりました。

ちなみに最近まではWornick社製のモノが使われていたんですけど去年あたりから
このAmeriqual社製のFPCWだけが使われるようになったみたいですねー。
うーむ。Wornick社製のブツが比較用に欲しいなぁ・・・

グダグダはここらへんで置いといて簡単な解説。
このMCWというのはRCWの改良型。つまり、従来のRCWでは色々と不便な部分が
あったということ。ソレは、食べ方が分かりにくい・メニューが少ない・重い・
コストがかかるなどなど。と、いうことで開発が進められできたのがMCW。
従来通りメインはフリーズドライなんですが、メニューが12種類に増え、
MREのように一食分ずつパックされ食べやすく、飽きが来ないよう改良が加えられてます。
一パックあたり1540kcalで、一日3パック、計4620kcalを摂取可能。
ちなみに構成としてはタンパク質15%、脂肪35%、炭水化物50%。
RCWと同じく低ナトリウムとなっているので、アクセサリーには塩は入っていません。
ちなみに保存期間は約三年。

あー、そうそう、例の「ミリメシ」にはMCWが海兵隊用云々と
書かれていましたが、そうでもないみたいですねー。
ただ、用途の違いによるみたいです。



FPCWの中身の一例
(Menu.1:04年製)
メインはレトルトではなくフリーズドライ。
他の内容物はMREで見かける顔ぶれ達。ただし袋の色は白で統一されています。

オマケ

05年12月の大雪が降った時に撮影した一枚。
FPCW in SNOW
確実にカモフラ効果でてるなぁ・・・

そしてそして、05年製の最新式MCWを入手しました。

しかも箱入りキタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!


上で紹介した04年製MCWと同じく、Ameriqual社製。
もうWornick社では製造していないんでしょうか?


1箱12パック入り、パッケージはちゃんと「Meal, Cold Weather」の表記が!
最近は、Ameriqual社も他のメーカーとパッケージを統一し始めてるので、
その流れを受けてでしょうか。
ちなみにメニューに変更はないですが、その他の内容物に
いくつか変更があるようです。


04年製のモノとの比較
パッケージ表記が大きく変更されました。
05年製からはちゃんと「Meal, Cold Weatther」の表記に。
でも、メニュー表記方法に関しては04年製と変わりません。


04年製までは、内容物はそのまま外袋に詰め込まれているというカンジでしたが、
05年製からは、アクセサリーパックと同じようなビニールパックに、一度梱包してから
外袋に詰め込むという方式に変更されました。
ちなみに、05年Ameriqual社製MREも同じ方式で包装されています。


米軍(?)謎のレーション(?)

謎のレーション。出品者さんの話によると米軍で使われているとか・・・
もしかしたらタダの市販品かもしれないんで「?」をつけておきました。
内容物は主に市販品。何と水まで入っています。

※どうやら市販品のようです。Heater Meals PLUSというアメリカ式ホカ弁です。
でも日本では中々見かけない面白いモノなので掲載しておきますね。


イラク派遣部隊お見舞い用レーション?

イラク派遣部隊に本国の味を届ける、慰問用レーションだそうですが、
個人的はGTWの一種じゃないかなー、と思ったりしてます。
内容物は全て市販品。


Meal, Religious, Kosher/Halal

米軍の宗教者向けレーション。ユダヤ教及びイスラム教徒用が存在して、これはユダヤ教徒用。
MREにベジタリアン用メニューがありますが、あれはただの健康志向ベジタリアン向けであって、
ユダヤ教徒、イスラム教徒が口にできるわけではありません。
それは、原材料、そして製造過程に厳しい制約があるからです。
そこで、もともとこういった厳格な宗教者向けの食品を作っている会社の製品を、そのまま使用して、
戦闘糧食として使用しています。構成はメインミール1パックにアクセサリーパック。
メインミールは計12種。アクセサリーパックはハラル/コーシャの2種類。
1食あたり約1200kcalが摂取可能。


アクセサリーパック、これはコーシャ用。メインミールの保存期間は約5年と長いですが、
アクセサリーパックは最高で10ヶ月。確かにこんな華奢なパックでは仕方ないですね(汗)
ちなみに、メインミールとアクセサリーパックは別々の大箱にパックされて納入されます。


メインミールの箱の裏側。製造会社の社長さんのメッセージ&顔写真入り。



続いて、カナダ軍のレーションを紹介


IMP (Individual Meal Pack)

カナダ軍戦闘糧食
Individual Meal Pack(IMP)

カナダ軍レーションは米軍と同様に一食分ずつパックされていて、
しかもご丁寧に朝・昼・晩と分けてあり、その3パックで一日分。
(けれどもパッケージには"他のと取り替えて食べてもおk"と書いてありますが・・・)
メニュー数は朝・昼・夕、各5〜6種類、計18種類前後用意されていていて、
毎年朝食分以外はほぼ全てのメニューに、改訂が加えられているようです。
梱包はMREのようなポリ製パックではなく、薄茶色の紙パックで、
一見脆そうに見えるのですが、実は紙パックの内側が、アルミシートでコーティング
された二重構造になっているので、結構頑丈なのです。
実際中でレトルトが漏れていたことがありましたが、外まで漏れてはいませんでした。
けれども、MREほどの防水性はないと思われれます。
一パックあたりの大きさは16cm×20cm×8cm。重さは約900g。
そしてこれが10個単位で大箱に梱包されていて、大箱の重さは約9kg。
製造年は各パックに印刷されているますが、シェルライフは大箱のみ印刷。
他の様々な事柄も、大箱のみに印刷されています。

次に、カナダ軍レーションは内容物から説明書に至るまで全て
英語・フランス語併記となってます。
これは、カナダという国はイギリスとフランスの移民による開拓で
歴史が作られてきたためで、それで英語・フランス語が公用語となったからです。
ちなみに、英語使用者は6割・フランス語使用者は2割程度となっています。
フランス語を主に使用している地域はケベック州、オンタリオ州、
ニューブランズウィック州、およびマニトバ州の南部。
フランス語しか分からない人もいるので、何でも英・仏併記は当然のことだとか。

あと、カナダ軍レーションは一日三食で3600kcal摂取でき、保存期間は約3年。



朝食パック(BREAKFAST/LUNCH・DEJEUNER/DINER)
朝食パックは緑の文字でパッケージが印刷されています。
内容物はオートミールや、軽めのメインなど朝食的なモノが多いです。
朝食パックは殆どメニュー変更はないのですが、04年製より一種類メニューが
追加されました。あと、メニューのオムレツは奇数年がサルサソース、偶数年が
マッシュルームソースとなっているようですね。



昼食パック(LUNCH/DINER)
昼食パックは、赤の文字でパッケージが印刷されています。
内容物は、パスタなど朝食のメインに比べると多少重めのものが中心です。



夕食パック(SUPPER/SOUPER)
夕食パック、は青の文字でパッケージが印刷されています。
内容物は昼食分にスープなどが追加されたような重めのメニュー。



あと、カナダ軍のレーションにときたまこのような表記のシールが貼られている時があります。

WARNING
DO NOT CONSUME THE LIQUID HONEY
containd in this meal pack.
The liquid honey packages shall not be given away for human consumption.


要するに、中に入っているハチミツを食うなってことです。
そこで、気になったので三日月猫様に問い合わせてみたところ、
無問題です。結構持ってますし、消費もしました。
とのこと。
詳しく聞くと、何やらハチミツが食用に適さない所があったようで・・・


カナダ軍とアメリカ軍のポークチャウメンでネタを作ってみました。


NEW!!

カナダ軍軽量型戦闘糧食
Food Packet Light Meal Combat(LMC)


カナダ軍には、通常レーションの他に、このような軽量型レーションも用意されています。
内容は、通常レーションのような"メシ"的なモノではなく、"行動食"的なスナック類。
通常レーションより少し軽いといった程度ですが、嵩張らないので持ち運びに便利。


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